30代 発達障害 崖っぷち

小学生の時から名探偵コナンが好きな30代の発達障害者。コナンの世界のように楽しみたいと思い、最近の趣味は旅行と美術館、博物館巡り。

セロ弾きのゴーシュ

自分は宮沢賢治作の「セロ弾きのゴーシュ」が好きである。このお話はセロ弾きが下手で楽長から叱責を受けたゴーシュが動物に助けられて演奏が上手くなっていくというあらすじ。仕事で人間関係に悩んだ時、このお話を思い出した。
ゴーシュにとって音楽に依頼してきた動物達は気が合う者達ではなかったと思う。特に最初に出てくる猫と鳩は、苦手で面倒くさい相手だったのではないか。しかし、そんな動物達がゴーシュの成長に繋げた話だった。
会社や社会での人間関係も同じだと思った。自分にとって都合の良い仲間や気が合う仲間が本当に自分にとって良い存在なのか考えるきっかけになった。もちろん、著者の書いた意図は違うかもしれないし、他にも色々な感想があるので、正解かどうかは分からない。自分を色々と指摘してくれる人、攻撃するかのように言ってくれる人。そんな人達が自分にとって大切なのではないか。

学生時代、気の合わなかった人達が何人もいた。特に大学時代、学生活動を行っている中で自分に対して攻撃的な態度を取ってくる人も何人かいた。自分が独善的な態度を取っていたから仕方がなかったと思う。しかし、そういう人達からお別れカードをもらった時、自分にすごく関心を持っていたような気持ちを書いてくれていた。人って単純な生き物ではないと気づいた。

ゴーシュも面倒くさかった猫やにの事を心から嫌っていたわけではないと思う。特に鳩には最後感謝をしていた。楽長から指摘された基礎を鳩のおかげで改善できたからである。

小さな話から自分にとっての大切な人が学べる一作だと思った。