30代 発達障害 崖っぷち

小学生の時から名探偵コナンが好きな30代の発達障害者。コナンの世界のように楽しみたいと思い、最近の趣味は旅行と美術館、博物館巡り。

ケーキの切れない非行少年たち

今週はこの本を中心に読んだ。この本を読むのは二度目であるが、少年院に入所している子供たちの大多数は発達障害や知的障害を持っている子達が多いことが書かれている。

タイトルにもある通り、基本的な数学力や国語力がないため、ケーキを三等分にバランスよく計算して着ることが難しい。もちろん、学校の授業ではついていけず、周りから配慮もされないため、非行に走ってしまう。また、相手から言われていることの意図を読み取ることが難しいため、自分に対しての内省が難しいと書いてあった。こういった子供たちが最終的に少年院に入ってしまうのは日本の教育の問題だと筆者は主張している。

また、彼らが大きく問題を抱えているのは「認知の歪み」である。図をそのまま写すことも出来ない為、自分の置かれている状況や、立場が理解できないという問題があるということである。つまり、自分のことを客観視することが難しいのである。

しかし、この問題は必ずしも彼らだけの問題ではないということである。彼らのような方達は健常者と同じように教育されてしまうため、自分自身でも障害に気付かないことが多い。そのため、周りより不器用なことがあったとしても、社会から特別な配慮をもらえないことが多いと言われている。

これは自分にも当てはまると思った。世の中には自分自身で発達障害だと気付いていない人も多い。また、障害だと気付いたとしても、特別な配慮をもらえないことが多い。もちろん、この本にも書いてある通り、一筋縄でいく対処方法が見つからないのもあるが、いまだに精神障害の配慮は発展途上なところがあるということに気付いた。

障害者に優しい社会はやはり幻想なのかもしれない。また、コミュニケーションは正解がないため、対処方法と言っても状況によって変わってくるから答えがないのかもしれない。自分にとって、社会の本質を知る一冊になった。